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大人のおもちゃ学~昭和中期編~



『大人のオモチャ』にとって昭和中期はたくさんの変化がおこった時代だ。
今回はそうした激動の歴史をご紹介していこう。

●天然素材からゴム・プラスチックなどの人工素材へ
まず、変化のひとつが材質である。
かつてはべっ甲・獣骨・木材などの天然素材だったが、昭和初期ぐらいからゴムやプラスチックなどが増え、昭和中期には完全に人工素材が主流になる。
これにより性具は加工しやすくなり、大量生産も可能になった。
そのため、安くて質のよいものが出回り、一般庶民でも気楽に購入することができるようになったのである。

●世界初の電動バイブが日本で誕生!
続いての変化は『電動化』。
昭和30年代半ばにセルロイド性の『ニューハニーペット』と呼ばれる、小型の電動バイブが登場する。
この『ニューハニーペット』の大ヒットをきっかけに、アダルトグッズの市場が拡大したと言われている。
ちなみに、この時点では世界中のどこにも『電動バイブ』は存在しなかった。
したがって、『ニューハニーペット』は世界初の画期的な商品だったわけである。
よく日本は世界から「猿マネばかり」なんて言われるが、なかなかどうして日本人の発想力も侮れないものがあるようだ。








●電動バイブの代名詞ともなった『熊ん子』が登場!
さらに昭和46年には、実寸大の電動バイブ『熊ん子』が誕生する。
この『熊ん子』は爆発的にヒットし、発売から約20年で100万本を売り上げた。
そのため、かつて『熊ん子』といえば、電動バイブの代名詞にもなったほどである。
おそらく、40代以上で少しでもアダルトグッズに興味を持った人なら、一度は目にしたことがあるだろう。
それほど、『熊ん子』は人気があったのだ。



●バイブもローターも性具ではない!?
現在では一般の量販店やインターネットなどで、簡単に買うことができるバイブ類。
もちろん、購入の目的はHに使うためで、それ以外の用途で使われることの方が珍しいだろう。
しかし、実は現在、販売されているバイブの99.9999%は、『性具』ではないのだ。
驚かれる人もいるだろうが、これは本当の話し。
1948年に制定された『薬事法』により、『性具』として販売するためには厚生大臣の許可が必要となったのだが、この薬事法というのがものすごく厳しい。
だから、仮に真面目な業者が申請したとしても、まず許可はおりない。

『ジョークグッズ』『マッサージ機』『民芸品』などの名目で販売
そのため、現在、流通しているアダルトグッズは『ジョークグッズ』『マッサージ機』『民芸品』などの名目で販売されているのだ。
たとえば、前述の『ニューハニーペット』などもマッサージ機、『熊ん子』は民芸人形という名目になっている。
名を捨てて実を取る、エロ業界らしい賢い選択ではないか!
名目などにとらわれず、今後も素晴らしい性具を販売して欲しいものだ。

文/月夜


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