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セックスハウツーは本当に有用か?性研究家が5つの再考察


■セックスのハウツーを考える

世の中は日々進化しています。技術的なもの、研究的分野のもの、または人の価値観なども日々進化・変化していくものです。

もちろんセックスだって同じ。以前語られていたセックスのハウツーが今では古い・・・なんてことだってあるかもしれません。

果たしてよく知られているようなセックスハウツーは今も通用するのでしょうか・・・?









イギリスで有名な性研究家・アドバイザーのトレイシー・コックスはセックスに関する本やアドバイスを20年にも渡ってしてきた人物。

性に関する知識量は相当なものの彼女ですが、こんなことを最近思うようです。

「昔から言われているような性の理論やハウツーは本当に今も通用するのだろうか?再考すべきなのではないだろうか?」

彼女が性研究家としてスタートをした20年前と2013年の今では確かに人々や社会の価値観が違いますし、性における研究もだいぶ進んでいます。社会が、男女が進化する中でセックスハウツーだけ進化しないわけはありません。彼女はいくつかの性に関するハウツーを再考しました。




1.セクシーな下着が性生活を改善(刺激的に)する

下着が性生活においてどれくらいの影響を与えるのか?多分、最初のインパクトだけで実はセックスそのものにはそれほど大きな影響を与えていないかもしれません。

しかしマンネリ化やセックスレスのカップルであるなら意味はあるかもしれません。そもそもそう状況に陥ったカップルの女性がグレーの大きなオバサンパンツを履いていたとして、男性は食いつくわけがないのです。

セックスそのものに大きな影響がなくとも、セクシーな下着を身につけるという行為はパートナーにより良い姿を見せたい、いつまでも綺麗でいたい、女でありたいという努力の現れと言えるでしょう。





2.セックスについてオープンに会話をする
性生活をより向上させるためにも、カップルはオープンにセックスについて語らうべきだというハウツーがあります。

しかしトレイシーは多くのカップルと接してきてこう感じました。

「性生活が上手くいっているカップルは話すが、うまくいっていないカップルはこのハウツーを否定する傾向にある」

そもそも仲の良い、夜も上手くいっているカップルの会話からセックスの話題がでないわけがないのです。むしろそういった会話がでない・出来なくなったとき、それは二人の性関係が悪化しているときなのです。

つまり性の話題がでない時にこそ会話からセックスを改善すべきであり、それができなければずっと改善の余地はないでしょう。





3.20分以上セックスをするべきだ
これは女性のオーガズムが男性とは違い平均20分程かけて徐々に高まることに由来するハウツーです。

しかし本当にそれは正しいのでしょうか?

この20分のハウツーは女性のクリトリスやGスポットのみの単一刺激による研究からきています。

しかしセックスの仕方やオーガズムは人によって様々です。性感帯は人によって違いますし、2分でオーガズムを感じる女性もいれば40分以上時間がかかる女性もいます。そして体調やシチュエーションによっても変わることでしょう。

また性行為に最小制限時間を設けること自体がナンセンスと言えます。疲れている時もあれば気持ちが乗らない時もある、または興奮しすぎて思いがけず早くオーガズムを迎えることだってあるでしょう(男性は恥をかいたと感じるかもしれません)。

セックスを時間で区切ることはカップルの熱をもり下げるものになるでしょう。





4.良いセックスを持つカップルは関係も良好である
これはある意味で間違いではありません。しかし時として、性格的にソリが合わない人とのセックスでより感じることもあるでしょう。

なぜそんな人とのセックスが盛り上がるのか?不安・不満など逆の意味で感情が高ぶっているとそれがブーストとなりアドレナリンが放出され濡れやすくなることがあります。末端神経が過敏になり感覚が鋭敏になりより強い性感を得ることが有り得るのです。

つまり時として仲の良いカップルよりも口論ばかりしているようなカップルの方がよりハードで感度の強いセックスをしている可能性があるのです。





5.セックスでは女性を大切にすべき
セックスハウツーの大きな特徴として男性は女性のことを思って行動すべきという考え方があります。ボディマッサージをしてあげたり、後戯は絶対にしなきゃダメだったり、ベッドにバラの花ビラをまかなければいけなかったり。

この考えは素敵かもしれません。しかしこのアドバイスが周知され始めると「不倫」の確率があがったのです。

女性のことを思い尽くす義務的なセックスよりも欲望を通せる密会のセックスに男性は心惹かれる部分があります。

確かに男性が注意を払うべき女性の性的特徴は存在するでしょう。しかし女性から男性へのアプローチだって必要なのです。








以上がいくつかの性に関するハウツー・理論についてのトレイシーの再考です。世の中にはいろんなハウツーがありますが全てのカップルに当てはまるものではありません。そしてまた時代の流れとともに鮮度も薄れていくものです。

彼女のこうした再考も現代の世の中にマッチさせていますが、いずれまた違った価値観が生み出されることもあるでしょう。大切なのはこうしたハウツーを自分なりに解釈し、自分やパートナーの関係性と照らし合わせてフィットさせていくことなのでしょうね。




文・編集/麹町敏郎
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