性と愛の研究室 - きゃらめる民族

　暑くて寝苦しい夜が続きますが、
皆さんは最近、よく眠れていますか？

　最近の研究によれば、
睡眠時間が足りないと、体に影響があるだけでなく、
健康にも良くない食べ物を、選びがちになってしまうそうです。

　他にも、脳卒中を引き起こしやすくなるなど、
問題があるのだとか・・・。

　そこで今回は、『寝不足は、ジャンクフードが欲しくなるワケ』
について考えてみました。









【睡眠不足はジャンクフードが欲しくなる？！】
　



ジャンクフードの甘い罠・・・


　米国の某大学の研究によると、
睡眠時間が十分でないと、メニューを選ぶ基準を、脳が変えてしまう？のだとか。

　睡眠不足の脳では、
不健康な食べ物（いわゆるファストフードなどのジャンクフード）を前にした時、
快楽中枢の動きがより活発になったという。
　十分に睡眠が取れている状態であれば、
こうしたリスクを負ってまで、ジャンクフードを選ぶことは少ないらしい。

　また、米国の別の大学の研究によると、
睡眠不足になると、行動や選択の指令を送る脳の一部が、
正常に機能しないことがわった！という。

　つまり、
『睡眠不足の状態で、食べ物を前にした時、正常な選択ができない！』
ということらしい。

　また、『睡眠不足は、食べ過ぎを引き起こす』とか、
『人は、疲れると余計なものを食べてしまう』という研究結果もある。


『睡眠が制限された状態の人には、
不健康な食べ物が、目立って価値のあるものに思えることを示唆している。
　そういった食べ物を、より多く摂取することにつながるようだ』
と、前述した研究者は、結論づけている。



　実は以前、これを裏付けるシーンを目にした事がある。

　小生の知人で、日本料理の料理人がいる。
　有名料理店で修業し、花板まで這い上がり、
念願の独立をし、１人で店を切り盛りしている３０代の料理人だ。

　彼らの世界は、年末年始などは忘年会や新年会で、
１年のうちでも、１番忙しいという。
　いわゆる『書き入れ時』だ。

　それだけでなく、空いた時間に年始の『折詰』の注文も捌かなければならない。
　正月用に日持ちする食品は、仕込みにも手間ががかかる。
　料理人としては、いわゆる『腕の見せ所』なのだが、
多忙な時期に、それをしなければならない。

　彼らの慣例として、
正月明けの三箇日（さんがにち）と、店や料理人にもよるが、
七草くらいまでは休むらしいのだが、
それまでは、徹夜の連続！文字通りの全力疾走である。

　大晦日の午前中に、陣中見舞いで彼を訪ねたところ、
何日も徹夜が続いて、さぞ疲れていると思ったが、
意外にも元気そうだった。

　そして、差し入れの朝メニューのハンバーガー数個を、
小生と話をしながら、
ものの数分で、食べてしまったのだ。

　さすがの小生も、彼の異変に気づき、
『大丈夫か？』と声をかけたが、
彼のテンションは、高いままだ。

　その日はそれで店を後にし、
後日、店を訪ねると、
彼が言う。

『すすきさんが来てくれた日は、自分で振り返っても、何か変でした。
　もちろん、仕事はちゃんとしましたよ。
　折詰の全ての注文を捌いて、あとはお客さんに渡すだけだったんで・・・
　でも、それまでは全力で仕事をしていたから、テンションが高いままで、
下がらないんです』

『ハンバーガー、一気に全部食べちゃったの、覚えてる？』
　と聞くと、それは覚えているという。

『でも、自分は料理人だから、いつもはあんな乱暴な食べ方は、しません。
　それに、あの時、
特にお腹が空いていたわけでもないし、
食べ終わった後に、不思議と満腹感も無かったんです。
　だから、例えば目の前に１０個出されたら、
あのままのペースで、１０個を連続で食べちゃったと思います。
　でも、満腹感は無い？それくらい、変でした』

『それ、ちょっと怖いね。何か原因は？』
　と聞くと、特に思い当たらないという。

『毎年１２月は、修業していた小僧の頃から、休みなんて無かったし、
自分で店を始めてから、年の暮れは、こんなペースでしたから・・・。
　でも、ここのところ、つまり最後の１週間は、まともに寝てないです。
　修業時代は、さすがに布団で寝る時間くらいは、ありましたけど。
　今回は、店に泊まり込んで、
空いた時間に仮眠を取る程度で、ちゃんと布団で寝てません。
　睡眠不足が、原因なのかな？気をつけます』
　と、彼は首を傾げていたのだ。

　皆さんの周囲でも、徹夜で遊んだあと、
ヘトヘトに疲れている人もいれば、
逆に、妙にハイテンションな人も、いませんでしたか？


　彼のハイテンションの、直接の原因は分からないが、
小生は前述した研究結果を知り、
この料理人の知人の事を、連想した。

　どうやら、
『睡眠不足の状態で、食べ物を前にした時、正常な選択ができない！』とか、
『睡眠不足は、食べ過ぎを引き起こす』
というのは、本当らしい。



【平均睡眠時間が６時間以下の人は危険？！】




太っていない人でも、睡眠不足は危ない・・・


　睡眠不足は、脳卒中のリスクを高めるようだ。
　最近の研究によると、ひと晩の（平均）睡眠時間が６時間以下の人は、
脳卒中の危険性が４倍！になるらしい。

　これは、成人男女、約５千人を対象にした研究によるものだという。
　いわゆる、ＢＭＩ指数（＊いわゆる肥満度指数）が標準の人であっても、
最近、メディア等でも多く取り上げられているような、
『睡眠時無呼吸症候群』ではない人であっても、
脳卒中の危険性が、増大したらしい。



・ＢＭＩとは・・・。
　ボディマス指数（ＢＭＩ）と呼ばれ、身長と体重から肥満度を示す体格指数のこと。
　計算式は『体重÷身長の２乗（＊身長はメートル以下を小数点にする）』で、
例えば身長１６０センチ、体重５０キロの人であれば、
　５０÷（１．６の２乗）＝（ＢＭＩ）１９．５３となる。

　年齢による調整はあるものの、この数値の１８．５以上２５未満が、いわゆる普通体重だ。
　日本肥満学会では、ＢＭＩ２２を標準体重としている。
（＊ただし『内臓肥満』などの『隠れ肥満』には有効ではない。
　また、激しい運動を伴う職業や、他にもボディビルダー等、
激しい運動をするスポーツ選手には、必ずしも有効ではない。）

　厚生労働省の研究班によると、４０歳代のＢＭＩと平均余命の調査では、
『太り気味の人（ＢＭＩ　２５以上３０未満）』が最も長生きであるという結果がでた。
　次いで長生きなのは『普通体重の人（ＢＭＩ　１８．５以上２５未満）』、
次に『肥満の人（ＢＭＩ　３０以上）』、
最後に『やせた人（ＢＭＩ　１８．５未満）』の順で、平均余命が長いらしい。



　一般に、肥満は脳卒中のリスクが高まりやすいとされているが、
太り過ぎではない成人でも、睡眠不足によっても、その危険性が増大するという。

　また、成人の社会人のうち、およそ３０％は、
平均睡眠時間が、６時間以下だという。

　睡眠不足は、肥満を引き起こす要因になり、
脳卒中のリスクにもつながる！ということらしい。

　ちなみに、日本人の平均睡眠時間は、６．４時間（２００８年の調査）だという。

　また、例外的ではあるが、『ショートスリーパー』といって、
平均的な睡眠時間が、６時間以下でも、健康に問題の無い人もいるという。
　詳しい事は分かっていないが、これは、かなりの少数派のようだ。



　以上の事から、今回は、
『寝不足は、ジャンクフードが欲しくなるワケ』
についてでした。

　自覚があるような睡眠不足の状態で、
いつもとは違うペースで、ジャンクフードを食べてしまったり、
食べても満腹感が得られない場合は、注意が必要かもしれません。

　皆さんも、気をつけて下さい。




　＜すすきタルン＞

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