性と愛の研究室 - きゃらめる民族

　
　前回は
『風俗嬢という仕事～キッカケ編～』
という記事を書きました。

　そこには、風俗で働く、
『彼女たちなりの理由』がありました。

　小生が多くの風俗嬢を取材した経験から、
やはり気になったのは、彼女たちの金銭感覚です。
　
　それは、一般の女性とは違う部分がありました。

　そこで今回は、『風俗嬢の金銭感覚（前編）』について、
彼女たちへのインタビューを元に、
書いてみました。









【古くは、遊郭の時代から・・・】




江戸時代の駕籠（かご）・・・


　古い時代劇を観ていると、遊郭の遊女がお付の人を連れて、
茶店で休んでいるシーンがあった。

　遊女は、キセルに詰めたタバコをふかしている。
　そこへ駕籠舁（かごかき）の２人組が、休憩にやってきた。

『おっ、花魁（おいらん）だ！今日はいい天気ですね～花魁！』
　と、囃（はやし）し立てる。
　彼らの目的は、遊女におべっか（お世辞）を言って気に入られて、
実は、彼女の持っているタバコが欲しいのだ。

　花魁（おいらん）という言葉自体も、位の高い遊女を指すらしい。

　すると、気を良くした遊女は、そっとタバコを置いて立ち去る。
『さすが花魁！俺たちにタバコを残していってくれるなんて、優しいね～』
　と言って、駕籠舁（かごかき）の２人は、遊女の残したタバコにありつく・・・。

　現在で言うと、タクシーに乗ったソープのお姉さんが、
店の前で降りる際に、
『運転手さん、お釣りはいいですから』
　と、チップを渡すようなイメージだろうか・・・。



【業種によっては、勤務中は外出禁止？！】




ボーイへのチップは古い習慣・・・（画像はイメージです）


　業種にもよるが、ソープなどは勤務時間中の外出は、原則として禁止だ。
　食事は出前などが多く、他に欲しいものがあれば、
ボーイさんに頼んで買ってきてもらう。

　その際、お釣りはチップとして渡すのが、慣例らしい。

　小生も取材中、タバコを買ってきてくれたボーイさんに、
お釣りをチップとして渡すソープ嬢を、何度か見た。

　もちろん、業種によっても違うし、
近所のコンビニへの買い物などを、許可している店もある。

　寮生活をしている、デリヘル嬢のＡ子（３０歳）は言う。
『プライベートで送迎を頼む際には、
運転手にタバコ２箱と缶コーヒーを渡してます。
　店長からは、店の車だから、自由に使っていいよ！
と言われているけど、仕事の送迎以外でお願いするときは、
やっぱり、気がひけるから・・・』

　彼女たちの多くは、
人に接するサービス業をだからか、
やはり、人間関係の大変さや、
ちょっした気を使うことを、知っているようだ。



【どこへ行くにもタクシー？！】




姉妹で風俗嬢は、タクシー移動が日常か・・・（画像はイメージです）


　関西出身というＢ子（２５歳）を取材した時の話だ。
　顔も化粧も派手で、『人気のキャバクラ嬢』
と言った方が、似合う感じである。

　店の人によると、彼女は姉妹で風俗嬢だという。

『東京って、タクシー代が高いですね。
　地元（関西）では、どこへ行くにもタクシーだったんで。
　吉原（ソープ）にいるお姉ちゃんに会いに行ったら、
思ってたよりも遠くて！
　地元では、何でも近くにあったから・・・。
　おまけに、渋滞とかにハマると、料金ばかりかかって』

　ブランド品に詳しくない小生が見ても、
Ｂ子の服や持ち物は、高そうなブランド品だ。
『安い化粧品は使わない』
　と、百貨店の袋から、買ったばかりの化粧品を出して見せてくれた。

　短期で稼いで、地元（関西）に帰る！とＢ子は得意げに言うが・・・。

　その後、同じ店で彼女の姿を見る事はなかった。



【派手になると客層も変わる？！】




お金を持つと女性は変わる・・・（画像はイメージです）


　２３歳という実年齢よりも、落ち着いてみえる美人のＣ子。
　体つきも、色っぽい。
　いわゆる、『エロい女』といったところだろうか・・・。

　服装のセンスも派手すぎず、
どうみても２０代後半の、『ちょっと遊んでるＯＬ』とった感じだ。

　実年齢よりも若く見せる女性は多いが、
彼女のように、若いのに落ち着いて見える女性は、そう多くない。

　その後、半年くらいして再び会うと、
今度はさらに派手な化粧と服装で、
『セレブなマダム？』のような感じになっていた。

『最近、信号待ちをしてても、声をかけられるの。
もちろん無視するんだけど、超～ウザイ！』
　　会話をすると年相応なのだが、
まだ２０代前半なのに、その貫禄には驚かされる。


　取材を終えて、店長と話をした。

『Ｃ子は、ウチへ来た時くらいが、ちょっと派手くらいで、
ちょうど良かったんです。
　お金を持つと、髪の毛の色も派手になり、
爪や化粧、服も派手になるんですよ。
　最初は、おとなしそうな中年男性が中心だった彼女の客層も、
指名客が、いわゆるオラオラ系の若い客ばかりになりました。
　彼らは、メシ行こうや！とか、飲みに行こうや！と、しつこく誘うそうです。
　Ｃ子はウザイ！って言いますが、悪循環ですよ。
　派手な格好をやめろ！って言っても、聞きません。
　彼女は、稼いだ分、全部使ってますよ、きっと・・・』
　と嘆いていた。

　店長によると、見かけが派手な男性客は、
自分と同じ、派手な女性を好む傾向にあるという。



　以上の事から、今回は、『風俗嬢の金銭感覚（前編）』について書いてみました。
　

　上記の店とは違う、別の店の店長に聞いた話です。
『借金の返済や、貯める目標金額など、
自分をしっかり持っている娘は、
お金の大切さを知っているからか、
あまり派手な生活を、しないですね。

　流されていく娘は、見ていると分かります。
　あと、出勤日に休まず、ちゃんと来る娘も、
個人的には、優先的にお客をつけるなど、大事にしてあげます。
　でも、そういう娘は、少ないですよ』


　どうやら流されていくかどうかは、本人次第といったところでしょうか・・・。

　他にも、風俗嬢へのインタビューで、
いくつか印象に残ったものがありました。

　
　次回は、『風俗嬢の金銭感覚（後編）』です。


　＜すすきタルン＞

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