性と愛の研究室 - きゃらめる民族

メイド喫茶元オーナーの【女の子クイズ】第７４回

僕はキリスト教徒ではありませんが、
聖書には、いろいろ面白い話が
沢山書いてあります。
今のアニメなんかでも、
あれ？この話、聖書の逸話を下敷きにしてるなあ、
なんて思える話がいっぱいあります。
今回は、その中でも、男と女にまつわる話。
アダムとイブの物語を紹介しましょう。








■悩みのない理想郷に住んでいたアダムとイブ

アダムとイブの物語は、旧約聖書の創世記の中に記されています。
聖書は、何千年もの間、さまざまなヒトびとに書き連ねられているのですが
この創世記は、聖書の中でも、最も古く、最も重要な物語であると言えるでしょう。
第１章は、「天地創造」。
つまり、この世の中は、どうやって出来たのかという話。
アダムとイブのお話は、第２章。
つまり、「天地が創造されたあとに、神は、人間を創られた」
っちゅうことです。その最初の人間が「アダム」という人間。
そして、アダムの肋骨からイブが創られた、とあります。
それから、アダムとイブは、神が創った理想郷エデンに二人で住んでいた。
エデンには、いろいろな木の実が豊富に実り、
アダムとイブはそれを食べていればよかったので、
労働もなし、悩みも、不安もなし。
毎日、「あはははは」と屈託なく、楽しく暮らしていたそうな。
んだけど、ある日、イブが、忍び寄ってきた蛇にそそのかされて、
神から「食べてはいけない」と禁じられていた「知恵」の実を食べてしまう。
そして、その実が、とてもおいしかったので、アダムにもそれを勧めて、
アダムも食べてしまう。
知恵の実を食べたアダムとイブは、羞恥心を覚え、
今まで、スッパで、平気で暮らしていたのに、
急に、あそこを剥き出しにして暮らしているのが、恥ずかしくなり、
いちじくの葉っぱで、隠すようになる。
神は、その姿を見て、「こいつらああ、知恵の実を食ったなあ」と激怒して、
二人をエデンの園から追い出してしまう。
それ以来、アダムは、労働をし続けなければならなくなり、
イブは、出産の時、苦しまなくてはならなくなってしまった。とさ。
というのが、まあ、創世記のアダムとイブのお話です。


■これって、人間の思春期の話を象徴しているのではないかな

この話って、結構、いろいろな寓意に満ちていると、僕は思うのです。
なんの悩みも、羞恥心もなく、つまり、男と女を意識することなく、
無邪気に暮らしているアダムとイブというのは、子供時代のこと。
それが、ある日、性に目覚める。それが禁断の木の実。
性というのは、やっぱり「おいしい」「快楽」ということなんですね。
それを「知恵の実」って言ってるとこもなんか暗喩的ですよねえ。
さらに、それをそそのかすのが、男性器を連想させる「蛇」。
最初に誘惑されるのが、女性であるイブ。
つまり、女性の方が、早熟であり、性に対する関わりが強いことを
表している。
アダムはイブに導かれて、性に目覚めてしまう。
「性の快楽」「性の誘惑」を罪、と規定しているところもなんか実に象徴的。
子供の頃は、屈託なく、男子女子睦みあっていたのに、
思春期になると、素直に付き合えなくなる。わかりあえなくなる。
そこに、人間の根本的な悩みが生まれるということなのですねえ。

■快楽、と、苦しみは、つまり、表裏一体である

思春期になり、大人になり、恋愛、そして、エッチ。
それは、人間というか、生き物にとっては、「快楽」ではある。
つまり、子供は、「大人の愉しみ」を知らない。
ということはもちろん言えるけれど、
反面、それは、狂おしい悩みだったり、
苦しみだったりすることもある訳です。
これは、東洋思想的に言えば、「業」ということになるのかな。
「なになにをしたい」つまり、お互いに、「女が欲しい」
「男に愛されたい」という欲望が生まれるとともに、
つねに満たされない辛さに苛まれることになります。
逆に言えば、欲望がなければ、苦しみもない。
しかし、人間は、いつか、成長とともに、欲望に目覚めてしまう。
そして、人間は、いつか、エデンを出なくてはならない。
アダムとイブの物語は、そんな人間の宿命を暗示しているのですね。
う～ん、深いなあ。と、僕は思うけど。


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