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「それ、セクハラです!」っていうけどどこからがセクハラなのか?


■学校でもセクハラ

先月28日、神奈川県教育委員会が発表したセクハラに関するアンケート(回答数2860人)によると249人の生徒が「自分自身が被害を受けた」と答えたのだそうです。
先生や部活の顧問などにセクハラをされたとのことらしいですが、大人がその権力を笠に着て未成年に対し性的な嫌がらせをするというのはなんとも許しがたいものです。


しかしセクハラと一口にいってもどこからがセクハラなの?という疑問もあります。スキンシップのつもりでも相手にしてみれば嫌なのかもしれませんし・・・。


今回はセクハラに関していろいろ調べてみました。









■セクハラの起こり

セクシャルハラスメントは1970年代初め米女性誌『Ms』の編集者らが作った造語と言われています。その後1986年に合衆国最高裁判所によってセクハラ行為は人権法に違反する性差別であると認めました。

日本では1989年に女性社員が上司を相手取り初のセクハラ民事裁判が行われました。TV・雑誌もこぞって「職場のセクハラ」に関して取り上げ、大きな社会問題となり、同年の流行語大賞新語部門で金賞を受賞しました。

以降セクシャル・ハラスメント=セクハラは一般的になり、各企業規則の中にセクハラ禁止が盛り込まれたのはもちろん、国でも1997年改正の男女雇用機会均等法にて性的嫌がらせへの配慮を盛り込んでいます。








■セクハラの定義

セクハラの定義は実はかなり曖昧、というか判断が非常に難しいものとなっています。
男女雇用機会均等法・第11条によれば

「職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること」

とのこと。非常に解釈が難しいところですが、性的な発言・行動によって精神的・物理的・関係性といった被害が及んだ場合セクハラが成立するということでしょうか。

しかしこれだと「不利益」の規定が微妙で、ちょっとしたことであっても被害者が過敏に「セクハラだ!」と訴えたらセクハラになっちゃいそうですよね。。。





■相手によって変わる?

例えば

A子さんがB男さんから肩を叩かれたとします。A子さんは職場において不必要なボディへのタッチで不快に感じました。その場合・・・セクハラだ!と訴える可能性があります。

しかし同じようにC男さんにも肩を叩かれましたが、A子さんはC男さんに対して好意を寄せていたので嬉しく思いました。この場合は・・・きっと訴えませんよね。


不快に感じる、感じないというのは個人の感情であることは間違いありません。しかし法的に訴えるといった場合、個人の感情によって左右されるというのは問題ですよね。職場の規則などにおいてはダメならダメとハッキリ明記し、職場管理者による注意や社員それぞれが相互監視する必要がありそうです。








■職場でのセクハラ調査

モバイルリサーチが行った「職場でのセクシュアル・ハラスメント調査」によればこんな結果が出ています。

・職場でのセクシュアル・ハラスメント被害者:女性3割・男性1割!
・上司からのセクシュアル・ハラスメント被害が第1位!(78.0%)
・セクシュアル・ハラスメントの実態!「体型・容姿を指摘された」(44.9%)
・被害者のうち63.0%の人がセクシュアル・ハラスメントを我慢した!

予想通りというかなんというか、やはり上司からのセクハラが最も多いという結果に。この場合セクハラでもあるでしょうが、パワハラも含まれている可能性がありますよね。

またセクハラ=女性が被害者というイメージがなんとなくありますが、男性の被害者も少なからず存在していて、昨今の肉食女子・草食男子という図式が現れているような気がしないでもないですね。




■女性からのセクハラで自殺?

昨年の10月ごろ英BBC放送のラッセル・ジョスリン記者(50)が元同僚の女性からセクハラを受け自殺したというニュースが報じられました。

5年前にセクハラを受け異動などを願い出たらしいですが認められず悩んだ末にバスに轢かれ死亡したとのことです。


自殺とまではいかないまでも女性による男性へのセクハラは意外と多く、訴えが周囲に認められないケースは非常に多いようです。というのも、軽いボディタッチ等ではセクハラとは思われず、言動によるセクハラもかなりドギツいものでないと理解されないのだそうです。

また女性のセクハラの場合、密室や二人きりの状況になってからというものも多く、録音などの証拠がなければ認められにくいといいます。








セクハラという言葉が日本に浸透して20年ちょっと。国や企業や個人が気を付けるようになり、それ以前に比べたらセクハラの被害は減ってきているかもしれません。

しかし定義が分かりにくく、それぞれの価値観で認識してしまったがためにセクハラという言葉が一人歩きし、新たな問題を生み出していることもあるかもしれません。

どこからがセクハラ、それを規定するのは非常に難しいことですが企業や団体などにおいてはある程度明文化することが余計な問題を生まずに済むのかもしれませんね。





文・編集/麹町敏郎
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