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昼間っからピンク映画を見る人々~前編~




 ある取材で、
アブノーマルに興味があるという、アラサー人妻のA子(仮名)に、
インタビューしていた時の事です。

『そういえば、ネットで見たんだけど、
ピンク映画館で露出するカップルとかが、いるらしいですよ』


 すると彼女は目を輝かせて
『本当ですか?行ってみたいです』
と言うのです。

 いくらアブノーマルに興味があるとはいえ、
現在はご主人と子供さんで、幸せな生活をしている奥様。

『でも、女性が一人で行くのは、危険ですよ』

『じゃあ、すすきさん、連れて行って下さい』


 そこで今回は、彼女に同行する形で、
『昼間っからピンク映画館?!(前編)』に行くことにしました。









【ピンク映画】




映画館入場者数のグラフ・・・(一般の映画館を含む)
 シネコン(大手の複合映画館・シネマコンプレックス)は、
 一時的に入場者数のかさ上げには成功しているものの、
 その入場者数は、頭打ちの様相らしい・・・




 ピンク映画、いわゆるポルノ映画だが、
現在のようにAV(アダルトビデオ)がブームになる前は、
ピンク映画が盛んだった。

 今だったら、スマホやPCで気軽に動画として見る事が出来るAVだが、
昔の若者は、悪友たちとピンク映画館に足を運んだのである。

 小生も学生時代、バイト先の先輩たちに連れられて、
週末の夜、ピンク映画を見に行った。

 私鉄沿線の駅近くにある場末の劇場は、
『禁煙』という赤いランプが、男たちのタバコの煙で霞んで見えたほど、
異様な雰囲気だったのが、印象に残っている。


 だが、井筒和幸、高橋伴明、周防正行といった、今では有名な映画監督でさえ、
そのデビュー作は、ピンク映画だ。

 また、佐藤浩市や内藤剛志といった、
今では映画やTV、CMの第一線で活躍する有名俳優も、
若い頃は、ピンク映画に出演していた。

 変わったところでは、
バラエティタレントでは大御所クラスの大竹まこと、高田純次、渡辺正行といった3人も、
若い頃には、それぞれ、ピンク映画に出演していたらしい。


 その夜、小生が先輩たちと見た映画は、
女優の高橋ひとみが、夏木陽介と騎乗位で合体していたシーンが印象に残っている。

 後に高橋ひとみが有名になった、
『ふぞろいの林檎たち』というTVドラマが放送されるよりも、
以前の話だ。


 上記のグラフは一般の映画館を含む統計データだ。

 日活のロマンポルノが上映されていた1970年代、
ピンク映画を上映する映画館は、全国に300以上あったという。

 今では、その映画館の数は、80前後だとか・・・。


 だが、そこには、一部のマニアたちが集う理由?が、あるらしい。



【平日の朝から、ピンク映画館で?!】




ストッキングに包まれたA子の股間に手を・・・
 *画像はイメージです



 朝9時半、某ターミナル駅で、A子と待ち合わせた。

『今、着きました。ファーストフード店の前にいます』

 携帯にメールが入る。

 ロングのスカートに、ダウンジャケット、
まるで普通の主婦が、これからデパートに買い物にでも行くかのような格好だ。

『まだ時間あるから、モーニングでも食べましょう』

 近くの喫茶店に入り、2人でモーニングを食べる。

『子供が学校から帰ってくるから、遅くても午後2時にはココを出ないと・・・』

『そんなに遅くはなりませんよ。
 大人の社会科見学をするくらいの、気軽な感じでいて下さい』


『何かもう、ドキドキしてきました。大丈夫かしら・・・』

『中止にしてもいいですよ』

『そんなあ~今さら! もう、意地悪っ』

『いや、ネットで調べたんですが、
本当に、スリや置き引きの被害に遭う人も、いるらしいです。
 だから、お財布などの貴重品には、注意して下さいね』


『そうなんですか?気をつけないと・・・。何だか、怖くなってきたわ』

 ココで、A子にひと通りの説明をした。

 今から行く映画館は、ピンク映画と呼ばれるポルノ映画を上映する映画館だが、
マニアの間では、いわゆる『ハッテン場』として有名なこと。

『ハッテン場』とは、主にゲイの人たちがパートナーを探しに来る場所であり、
中には、見た目は女性の格好をしていても、
女装をした男性だったりするケースもあること。

 そして、こうした『ハッテン場』には、露出目的の男女のカップルも来ることから、
この映画館が、一部のマニア達に有名であること。

 また、この映画館には、いわゆるプロ(売春目的の男性)も出入りしているようで、
こうした人たちとトラブルにならないよう、注意すること。


 それを暗示するかのように、
この映画館の出入り口付近には、コインロッカーが不自然なほど数多く設置されていて、
『ハッテン場』としての出会いが目的の人たちは、
あらかじめ、こうしたロッカーに貴重品を預けているようだ。


 小生とA子も、このロッカーに貴重品を預けようかと思ったが、
初回から、そうそうハードなプレイをする事も無いだろう!と思い、
荷物を預けずに、映画館の入り口に向かった。

 券売機で1600円のチケットを2枚買って、
中に入る。
 小生たちの前では、常連らしき60代?のお婆さんが、
チケットを買っていた。

 映画は始まっていたが、
平日の午前中だからか、観客は少ない。

 スクリーンに近い前の方の席は、ガラガラである。

 見渡したところ、客は30人前後といったところだろうか。
 館内が暗くてよく分からないが、60代を超えた高齢者が多いようだ。

 客の多くが男性の1人客で、常連同士なのか、ひと言ふた言、挨拶を交わしている者もいる。

 スクリーンに向かって左端、通路側の席に小生の荷物を置き、小生が座る。
 その横にA子が座り、右側に自分の荷物を置いた。
 2人とも、自分の席の横に荷物を置いているので、
合計で、4つの座席を占領していることになる。

 左から、通路、小生の荷物、小生、A子、A子の荷物。
 そして、その横、A子の荷物の右側は、全て空席だ。

 座席の位置としては、最後列から数えて、3列ほど前である。
 先ほどのお婆さんは、小生たちよりも10列ほど前の席に座っていた。


 上映している映画は、古いピンク映画だった。

 出演している女優は、AV業界でも有名だった菊池エリ。
 バブル期の作品なのか、髪型も洋服も、かなり古い感じがする。

 すると、A子が耳元で囁いた。
『コレって、ずいぶん古い映画ですよね。
 時代は90年代前半とか、そのくらいかしら?
 でも一応、ストーリーはあるんですね』


『AVと違って、映画ですからね。
 もしかして、こういうポルノ映画、初めて見るの?』


 暗闇で、A子が頷く。

 しばらく、そのまま映画を見ていた。

 時おり、人の出入りがあるようで、後方ではドアの開く音がする。

 すると、30代の若い男性客が入ってきて、スクリーンの中央の席に座った。

 小生たちの列は、自分たち以外に、座っている人はいない。

 A子は、ダウンジャケットを脱いで、自分の膝の上にかけている。

 小生は左手でそのジャケットをつまみ、右手を彼女の膝の上に乗せた。
 A子は、小生の手を、握ってくる。
 5本の指を絡ませて、しっかりと・・・。

『少し、遊んでみますか?』

 目を合わせたが、彼女は無言だった。
 体をA子の方に向けて、左手で服の上から乳房を触る。
 何事も無かったように、彼女は前のスクリーンを見ていた。

 そのまましばらく、服の上から、A子の左の乳房を触った。

 映画がセックスシーンになり、菊池エリのアエギ声が館内に響く。

 そのタイミングで、今度は右手をスカートの上に置いた。
 
 するとA子は、ジャケットで小生の手と自分の下半身を覆い隠したまま、
腰を少し浮かせて、自分のロングスカートをまくり上げる。

 ロングスカートのスリット(割れ目)の部分を引っ張り上げて、
小生が股間にタッチできるようにしてくれたのだ。

 厚手のストッキングに包まれた、A子の股間にタッチすると、
熱を帯びていた。
 
 A子の方を見ると、顔はスクリーンを見ている。

 だが、これ以上のタッチは人目もあり、無理があると思った。


 すると、スーツ姿の50代くらいの男性客が、
小生の横の通路に来たかと思うと、
今度はA子の方の通路側に移動したりと、忙しく動き回っていた。


 その間も、A子のジャケットで手が隠れているのを幸いに、
小生は、A子の股間の割れ目に指を這わせる。

 ストーリーがセリフの展開になり、
館内が静かになると、A子の下半身を覆うジャケットの擦れる音が、かすかに聞こえた。


 どうやら、50代の男性客は、こちらが露出カップルかどうかを、確認しているらしい。

 やがて、意を決したように、その男はA子の荷物の横に座った。

 これには、A子も驚いたようで、
小生の方を見た。

『ガラガラなのに、何で私の横に来るのかしら?』

 耳元で囁きながら、とても不安そうな顔だ。
 
 その表情は、小生に助けを求めているようにも見える。



 以上の事から、今回は、
『昼間っからピンク映画館?!(前編)』でした。


 平日の午前中、ピンク映画館に入った小生とA子、
客の多くは、高齢者のようです。

 旦那さんの性趣向は、至ってノーマル!というA子は、
映画館でピンク映画を見るのは、初体験だとか・・・。


 遊びのつもりで、軽く彼女の手を握ったり、タッチしていると、
その気配を嗅ぎ付けた、スーツ姿の50代の男性が、
A子の荷物の横に、陣取りました。

 この時、実は小生もA子も、内心はドキドキです。

 次回は、その男性が取った驚くべき行動が・・・。


 なお、小生たちはハードな事は一切していないので、あまり期待しないで下さい。



 <すすきタルン>



*不特定多数が使用する可能性のある公共の場において、
 人前で性器を露出する、一般人の見える場所で性行為に及ぶなどの行為は、
 男女を問わず、公然ワイセツ、場合によっては強制ワイセツ罪として、
 刑事上の取締り対象となるケースがあります。

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