東京―台北は飛行機で3時間半。時差もわずか1時間。情報も交通手段も増え、台湾はもはや遠い場所ではないだろう。そんな2015年に、ある台湾のバンドが日本で「ここまで来るのに16年もかかった」と話した。台湾の国民的バンド Mayday(五月天)だ。
台湾でのデビューから16年。 “アジアのスーパーバンド” と称される彼らが満を持して、デビューから16年目の2015年8月28、29日、音楽の聖地・日本武道館で単独公演を開催したのだ。そのライブ2日目日の様子を会場のトーク部分も交えて紹介したい。
東京―台北は飛行機で3時間半。時差もわずか1時間。情報も交通手段も増え、台湾はもはや遠い場所ではないだろう。そんな2015年に、ある台湾のバンドが日本で「ここまで来るのに16年もかかった」と話した。台湾の国民的バンド Mayday(五月天)だ。
台湾でのデビューから16年。 “アジアのスーパーバンド” と称される彼らが満を持して、デビューから16年目の2015年8月28、29日、音楽の聖地・日本武道館で単独公演を開催したのだ。そのライブ2日目日の様子を会場のトーク部分も交えて紹介したい。
Mayday とは、1999年にデビューした台湾のロックバンドだ。メンバーは、ボーカルの “阿信(アシン)”、ギターの “怪獣(モンスター)” と “石頭(ストーン)”、ベースの “瑪莎(マサ )”、ドラムの “冠佑(ミン)” の5人だ。
中華圏では絶大な人気で、これまで、台湾、中国大陸、アメリカ、ヨーロッパツアーなどのライブの動員数は1000万人以上とも言われている。これは、台湾出身の、いや中華圏のアーティストで随一のライブ動員力だ。日本では2013年に本格活動を開始し、ドラマ『ビターブラッド』の主題歌や音楽番組『バズリズム』のマンスリーオープニングテーマを担当。楽曲に聞き覚えのある人もいるだろう。
動員数なら、武道館の10倍以上の10万人ライブという記録を持つ Mayday も、ビートルズが公演した “音楽の聖地・日本武道館” は、特別な場所だったようだ。
今回の公演は、「Maydayの長年の夢」だけでなく、「台湾バンド初の武道館」であり、今後、新アルバム制作に専念するため「Maydayの年内ラストライブの地」でもある。
さらに、ちょうど16年前の1999年8月28日は、Maydayがデビュー後初めて行った大型ライブ『第168演唱會』が行われた日だ。様々な縁が重なった会場は熱気に包まれた。
1日目と同様、2日目もドラマ『ビターブラッド』の主題歌にもなった『Do You Ever Shine?』で幕開けだ! 1日目は、ライブ終盤でさえボーカルのアシンは「いまだに夢の中にいるみたいで信じられない」と、話していたが、2日目は雰囲気が一転。「最終日なので」とハメをはずしたミンから、まさかの下ネタジョークも飛び出し、まるでホームのような伸び伸びした雰囲気に。
……と言っても、「ホーム台湾のライブをそのまま持ってきた」のではない。台湾メディア『今週刊』にアシンが「4分の1は日本語の曲を用意しました。日本のファンに僕たちの誠意が伝われば」と語っていた通り、アンコールも含めた26曲のうち、7曲は日本語の楽曲である。
また、日本語と中国語(北京語 / 台湾国語)で行われたトーク部分については、メンバーの言葉をリアルタイムのチャット形式でスクリーンに表示する “翻訳機” が登場するなど、なかなか見られない工夫も凝らされていた。
さて、7曲の日本語楽曲は『Do You Ever Shine?』のほか、2日目のタイトルである『抱きしめて』、そして『追憶のナインボール』ではモンスターによる独唱が披露された。
さらに『OAOA』は、出だしこそアシンが歌ったが、それに続いてストーン、マサ、そしてミンがそれぞれソロパートを担当するというサプライズ! 3人が日本語でソロを担当するのはかなりレアで、会場からは、大きな歓声があがった。
また、サプライズと言えばゲストに flumpool が登場! 両バンドは親交が深く、flumpool の武道館公演に Mayday がゲスト出演したこともあるので、彼らの登場を予想していた人も多かったようだ。
……が! ボーカルの隆太さんの歌に多くの人が驚いたに違いない。台湾語の楽曲『向前走(前へ進め)』を、とても流暢に歌い上げたのだ。これには台湾から駆け付けた Mayday ファンからも「ワーッ」と歓声が上がった。続いて、flumpool の演奏で両バンドのボーカルが『Belief ~春を待つ君へ~』を歌い上げた。
日本デビュー後、Maydayは「いつか武道館でライブをするために」と、日本語の勉強を続けていたという。だが、それが思ったより早く実現し、気持ちを全て伝えるには、自身の日本語ではまだ足りないのだそうだ。アシンは、「僕の出来る限りの日本語で挨拶してみますね」と、
「台北から東京からの飛行時間は3時間半だけど、武道館にたどり着くのに16年間かかりました。想像出来なかった事が現実になりました。皆さん本当にありがとう」(アシン)
と、感謝の気持ちを述べている。そして、“次はもう使わない” と、日本語が書かれていたであろうメモを破り捨てる一幕も見られた。
アルバム制作のため、年内のライブ活動は行わないことが名言されている。名残惜しい空気が漂うなか、ラスト一曲『憨人(馬鹿)』の前に、アシンから「他に何か言いたいことはない? ここを逃したらもう話すチャンスはないよ」と振られると、ミンがまたしても下ネタジョークを言おうとするお茶目さを発揮! 笑いに包まれたなか、メンバーのコメントを紹介したい。
「武道館に立つ日が思ったよりも早く来ました。皆さんの協力のおかげです。今日で今年は最後のライブです。というのも、これからアルバム制作に没頭したいと思っているからです。(アルバムの制作を終えた後)次回のライブでまた会いましょう」(モンスター)
「僕ら5人だけの力ではこのライブは実現できませんでした。なぜなら、僕らは5人の平凡なオヤジだからです(笑)」(マサ)
「昨日実はとんでもない事を想像しました。もっと頻繁に日本に来てライブが出来ないかと思っています。それも、3日、4日、5日と続く連続のライブです。そしてもっと大きいステージでライブを出来ればと思っています。僕らは夢を見るのが大好きなんですが、是非僕らと一緒に夢を見ませんか?」(ストーン)
ライブ中のメンバーのコメント、そして Mayday が “日本のファンに誠意を” と用意した2日間のセットリストは次ページへ。
参考リンク:Mayday オフィシャルサイト、今週刊(中国語)
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