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【メイド喫茶オーナー】AV男優に憧れる?



メイド喫茶元オーナーの【女の子のそこのところ】第261回

江戸時代、男が一度は、なってみたい商売は、
風呂屋の三助だったそうです。
三助というのは、お風呂屋さんで、小銭をもらって、
ヒトの背中を流したり、風呂場の掃除をする仕事。
なぜ、三助が憧れの商売だったかというと、
それが、男湯だけの話ではなく、三助は、女湯にも、
堂々と出入りできたし、
場合によっては、女の背中も流すことがあったから、
なんだそうです。
三助がいなくなった現代。
三助に代わる、男の憧れの職業と言えば、
つまり、それは、AV男優ってことかなあ。











■この世の中で一番モテない職業

僕の知り合いのAV監督に話を聞いたら、
「この世で一番モテない商売はAV男優だよ」ということでした。
その訳を聞いたら、
「AV男優っていうのは、女とセクロスするのが仕事だから、
女にモテたいとか、女を口説きたいとかいう意識がなくなる。
モテなくても、スタッフとかが、AV女優とのセクロスをセットしてくれるので、
すっかり、そういう男子的な意欲がなくなってしまう」のだそうです。
「まあ、ごちそうはたまにありつけるからおいしいんで、
いつもいつも目の前にご馳走を用意してもらって、
やれ食えそれ食えじゃあ、おいしいとか食べたいとか
感じなくなるでしょ?そういうこと。だから、結果的には
私生活はカスカスになる」
んだそうです。
ホントかウソかは知らないけど、その監督はそう言ってた。


■AV男優は「俺たちのアニキ!」

昔は日陰者だったけど、最近は、AVってのは相当メジャーになっていて、
AV女優を募集すると、女の子がわんさかやってくるんだそうです。
お陰で、AV女優のスカウトっていう職業は消滅したとか。
そんな時代なので、AV男優の方も結構人気が出て、
AV男優のことを「アニキ!」みたいに慕う男子も現われているみたい。
ええと、ホモとかではなく、なんというのか、
「AV男優」=「いろいろなAV女優とエッチ」=「性豪」=「俺たちの憧れ」
みたいな構図らしいんだな。
だから、アングラ系のトークイベントなんかで、
AV男優がゲストで出てくると、そのファンの男がわんさかやって来て
「加藤のアニキ!女をイカセル方法を教えてください!」
ってなもんで、大盛況なんてことがあります。
メイド喫茶のオーナーより引きが強い。きいい!くやしい!
ワシもAV男優になってればよかった!

■ちょっと呆れるAV女優へのファン心理

しかし、世の中なんでもあり、ですよねえ。
あんなとこもこんな行為も全て見せちゃっているAV女優に、
「プラトニックな恋心」を抱き、アイドル並みに追っかけする奴。
それに応えるかのように、アイドルっぽいブログとかやって煽るAV女優。
「今日は一日お仕事で疲れましたぁ!こんな時、お部屋に戻ると
優しく、お帰りっていってくれて、抱きしめてくれるヒトがほしいなあ、
なんて思う○○でしたぁ!」とかね。
おまえ!いい加減にしろよお!お仕事って何してきたんだぉ!
とか突っ込みたくなるけどね。
またそれに反応して、
「○○ちゃん、お仕事お疲れさんでした!○○ちゃんの仕事は、
身体を張る仕事だから大変だよね!
身体を壊さないように気をつけてください。
○○ちゃんがいつまでも元気に仕事を続けられて、
僕たちを楽しませてくれるように祈ってます」
なんてファンコメントを送ってる奴もいたりして。
まあ、いいけどさあ。


■じゃあ、本当にAV男優やりたいかって言うと

AVの世界もここまで来ると、そういう可愛いAV女優と、
毎日セクロスできて、しかもお金までもらえるAV男優を英雄視して、
憧れる奴が出てくるのもうなずけるかもしれないけど。
でも、「じゃあ、お前、AV男優やる?」って言われたら、
ちょっとたじろぐなワシは。
だって、いくらエロいセクシー可愛いAV女優を抱ける、とは言え、
「はい!じゃあ、本番行きまあす!」とかスタッフとか一杯いる中で、
それをするんでしょ?はっきり言って、有象無象に、
自分のお○ん○ん見られるだけで、かなり無理っぽい。
自信ないしな。
それに、もし、緊張で勃たなかったら、どんだけのプレッシャー感じるか、
考えただけで怖い。
「おいおいおい、こんだけお膳立てしてやって、こんだけ可愛いAV女優
用意してやって、お前、何萎えてんの?いい加減にしろよ」
って、羨ましさ余って憎さ百倍の世界に叩き込まれるだろうなあ。
「あ、ちょっとすんません。おかしいなあ、どうしたのかなあ」
汗たらたらあ。
あせればあせるほど下半身言うことを聞かず。
「じゃあ、監督、あたし口でやってみましょうか」(AV女優、妙に冷静)
うぐうぐうぐ。
やっぱりダメ。
「なんだ、ダメなのお」
AV女優、ちょっと怒り気味。こちら、いよいよ萎縮。
「ダメっぽいね。じゃあ、アシスタントの君、ちょっと代わって!」
「あのう、僕は?」
「AV男優が勃たないんじゃしょうがないでしょ!」(この役立たず!)
(なんだ、こいつ!)
(いい加減にしろよ!)
(無駄な時間使いやがって逝ってよし!)
みたいなあ。
ああやっぱダメだ!
AV男優はやめとこ。

ライター:ヒロN
コラムニスト。コピーライター。プランナー。1958年生まれ。2005年から2008年 までメイド喫茶を経営。その経験を活かし、エッセイ「女の子の取扱い説明書」で作家デビュー。主な著書「メイド喫茶元オーナーが書いた女の子の取扱い説明書」「メイド喫茶元オーナーが教える女の子の取り扱い講座」「男 のダイエット」「脱力系シニアライフのすすめ。」震災、災害時のサバイバル法「ヒロN式サバイバル読本・耐災力」「女の子の取扱い講座」「ヒロN式日本昔話」小説「一休さんと野盗弥太」「僕らの町は」「きょうこさんのブス」「哲人探偵 草倉哲二」「哲人探偵 草倉哲二2ドロシー危機一髪」「犬たちの生活」など発売中。




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