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【メイド喫茶オーナー】「種」と「個」に引き裂かれる人間



メイド喫茶元オーナーの【女の子のそこのところ】第188回

僕のエッセイストデビューは今から2年半前。
以来、恋愛とか男女にまつわることを
いろいろなところで書いてきたけど、
この、人間の恋愛に対する悩みは、突き詰めると、
「種」と「個」のズレ、矛盾するふたつのバイアスの違いに
起因するのじゃないかと思うようになりましたね。
今日は、ちょっとそのへんのところを。










■「種」と「個」とは

人間だって、生き物の一種ですから、当然、「種の保存」の本能に基づいて、生きていくのが基本です。
「種の保存」とは、人間の種、つまり、血脈をつなぐ。ということ。
もっとわかりやすく言えば、子孫を残す、ということ。
つまり、簡単に言えば、男女セクロスをして、子供を作り、その子供を育てる、ということ。
生き物というのは、ある意味、そのために生きている、と言っても過言ではありません。
しかし、人間の場合、それだけではすまないのです。
もし、「恋愛」や「セクロス」が、子孫繁栄、生殖のためだけの目的なものだったら、
別に生殖する相手は子孫を残せる異性なら誰でもいい訳なのに、
そこに「特定の異性を好きになる」とか「ならない」とか
「個」の意識が表れる。ここが、人間の悩みのタネになったり、
喜びや楽しみになったりするわけです。
古今東西の恋愛小説や恋愛にまつわる芸術作品とかのテーマも全部がこれ、と言っても過言ではない。


■本来は「種の保存」が優先する生物の世界

他の生物を見ると、知能の発達につれ、「種」と「個」の乖離が
出てくる。
たとえば、ハチやアリと言った集団で生きる昆虫などは、「種の保存」手段として、
もっぱら「生殖」を司る「女王バチ」や「女王アリ」を特定し、
オスは、それに受精する役割だけ。
「女王」にならなかった、その他大勢のハチやアリは、
餌を運んだり、幼虫を育てたり、巣を作ったりする「働きバチ」や「働きアリ」になる。
哺乳動物では、逆に、一頭の体格や能力が優れたオスが多数のメスに子供を産ませるハーレムを作るオットセイや日本猿の例がある。
まあ、動物によって、生殖やペアリングの形態は様々だが、
全ては、それぞれの生き物が「種を保存する」目的のために、ベストな選択をしようとした結果である、と言える。
その中には、「個」は死んでも、どんなに悲惨な目に遭ってもいいから、「種」を残そう。というものさえもある。
そう言えば、かまきりなんか、交尾の後、メスがオスを食べちゃって、子供のたまえの栄養補給に充てる、なんてすさまじいものもあったなあ。これなんかその典型。
つまり、生物っていうのは、基本的には、「種」が優先なんであって、
「個」なんざあ、「種の保存」のためには、犠牲になろうがどうなろうが構わん。というスタンスなのだ。普通「種の保存」に対する本能はかくのごとく厳しい。


■知性による「自意識」の芽生えが「個」の欲望を生む

しかし、生物の知能が高まるとともに、「種の保存」本能だけでなく、
「個」の意識というものが芽生えてくる。
「個」の欲望、と言い換えてもいい。
「種の保存」だけではない、「個」として、快楽を求めたいとか、
楽に、楽しく生きたい、という欲求である。
これは、たとえば、生物が一個の生き物としてのアイデンティティというか自我を持つところから芽生えてくる。
つまり、自己、自分は一個の生き物として生を受けたのだ、
という認識とともに、「自分は生き延びたい」「自分だけは生き延びたい」「できれば、快適に生き延びたい」とか願うこと。
極論すれば、「種」としては、自分は滅んでしまったり、
子孫を残さない方がいい、と思われるケースでも、
「個」としては、そんなの関係なく、自分だけは生存したい、欲望を満たしたい、と願うということが生じてくる。
これが、つまり、「種」と「個」の相克なのだ。


■「種」は大脳旧皮質、「個」は大脳新皮質の領分

より強固な本能に近い部分の「種」は大脳旧皮質、
知性の発達で獲得することになった「個」は大脳新皮質の領分。
男女で言えば、「種」の方は、つまり、「ああ、やりてえ」という「恋愛感情」というよりは「性衝動」に近い。
そして、その土台の上に、さらに「個」として発達した、
相手を幸せにしてやりたい、とか、一緒に暮らしたい、
とかいう「恋愛感情」が生じてくる。
人間は、この「種」と「個」の間で揺れ動く。
結婚式などで、「この女を永遠に愛することを誓うか」などと
わざわざ誓わせるのか、
それは、むしろ、人間が「個」としては、永遠に夫婦として
一緒に仲むつまじく暮らすべきなのを知っているのに、
ともすると、「種」としては、いろいろな女と生殖して、
自分の「種」を広めたい、という衝動に駆られてしまう、
という事実を皆知っているからです。
全く、「種」と「個」、これは厄介な問題。
でも、「種」だけなら、極論すれば、ボスざるみたいに、
力が強かったり、権力を持っている奴だけに、オスを独占されて、
多くの普通の男子は、彼女を持てない、なんてことになってしまうかもしれないけど、
人間には「個」というものがあるので、割りと、平等に、皆に
ペアリングのチャンスがあると考えていい。
これって、いいことじゃないのかなあ。
アリやハチやオットセイや猿じゃなく、
せっかく人間に生まれたんだから、なんとか相手をゲットして生殖しよう!


ライター:ヒロN
コラムニスト。コピーライター。プランナー。1958年生まれ。生物学的にはおっさんですが、精神年齢的には、中学生程度です。2005年から2008年 までメイド喫茶を経営。その経験を活かし、「女の子の取扱い説明書」なる本を書きました。著書「メイド喫茶元オーナーが書いた女の子の取扱い説明書」「男 のダイエット」「脱力系シニアライフのすすめ。」(いずれも無双舎刊)震災、災害時のサバイバル法「ヒロN式サバイバル読本・耐災力」「女の子の取扱い講座」「ヒロN式日本昔話」小説「一休さんと野盗弥太」電子出版にて発売中。




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