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【メイド喫茶オーナー】「可愛い」は女性差別なんだと



メイド喫茶元オーナーの【女の子のそこのところ】第254回

ちょっと前の話になりますが、九州の福岡市で、
観光誘致とか、福岡市のイメージアップ活動の一環として、
「福岡市カワイイ区」というキャンペーンが開始され、
その区長として、AKBの篠田麻里子が起用されたんですけど、
これが交替にさせられる騒動があったんですと。
で、まあ、その理由が、この「カワイイ区」の「可愛い」っていうのが、
女性差別である、と。
自治体が、こんな女性差別を助長するようなキャンペーンを
やっていいのか?という市民からの抗議を受けたから、ってことらしい。
今日は、この話を取り上げてみましょう。










■そもそもは「上から麻里子」の発案だったらしい

福岡市カワイイ区は、福岡市の観光、商業の振興のために、
市長が発案した「バーチャル行政区」なんだそうです。
で、福岡市が電通にHPの制作管理などを依頼し発足。
聞くところによると、福岡市は電通に1千万円払ったけど、
このキャンペーン、評判を呼び、登録市民は4万人に上り、
観光とか商業の売り上げUP額は2億5千万円だったとか。
つまり、大成功ということ。
で、そもそもの話、この市長の発案、福岡出身の篠田麻里子と
市長の対談の中で出た話に市長がヒントを得て生まれたんだとか。
で、まあ、そういう経緯もあって、この「カワイイ区」の区長に、
篠田麻里子が選ばれた、ということなんである。
やらせっぽいけど、まあ、成功すりゃあ、なんでもいいんじゃない。


■ディスられた「カワイイ区」

しかし、この「カワイイ区」、思わぬところで足をすくわれた。
それは、市民からの4件のクレーム。
4件のクレームの詳細はわかっていないが、いずれも、
「『カワイイ区』は女性差別。そういうことに市の税金を使っていいのか!」
というようなことだったらしい。
そして、「1件でも苦情があれば、審査会を開くべし」ということで、
男女共同参画審議会とかいうところが乗り出してきて、
「これは女性差別。で、問題あり!」という結論を出してきて、
それで、まあ、市は「カワイイ区」を辞めた。
という訳ではなく、どういう訳か、篠田麻里子を区長から降ろした。
ということになった。
僕は、あとからこのHPを調べたので、事実はわからないが、
最初の「カワイイ区」のHPには、「福岡には可愛い子がいっぱいいますよ」
とか「女の子の可愛い、を応援するものがいっぱい」とか、
まあ、そういう表現がいっぱい。
そのシンボルが篠田麻里子区長、って訳だったらしい。
今のHPには、女の子のおの字もない。
もちろん、篠田麻里子のしの字もない。
つまり、審議会の主張どおり、「女の子」=「可愛い」という文脈は徹底的に
排除されておるのです。
で、なんだか、「カワイイ区」。
何を売りにしたいんだか、何が楽しいんだか、さっぱりわからんものになっている。

で、この話、審議委員のひとりである弁護士先生(女性)の説明によると、
「例えば、『可愛い女性』と言う言葉があるでしょ?その女性と言う言葉を
男性に置き換えた時に違和感がある言葉は差別要素がある。ということなんですよ」
という説明だった。
ふううん。
カワイイ男性。
別に、おら、違和感はないけどなあ。


■「福岡の子」は皆可愛くなきゃいけないの?あたし可愛くないんだけど!

後日談として、ネットでこんなコメントが載っていた。
「あたし、福岡市に住んでいますけど、『カワイイ区』がなくなって、
胸がすっとしました。(実際にはなくなってないんだけど)
なんだか、福岡の女性は、皆可愛くなきゃいけないなんて、ひどい言い方で、
可愛くない子は、福岡市に住んではいけないのですか?と言う気持になって
いたからです。あたしだって税金を払っているのに。
だから、今回、少数の意見でも通るということがわかって、本当にうれしく、
ほっとした気分になっています」
なあるほど。
なんか、この話を聞いて、その昔、
「運動会で順位をつけるのは、運動の苦手な子を傷つけることになるから
順位はつけないことにしましょう」とか
「学芸会で、主役と脇役とか差をつけるのはやめて、全員主役で」とか
そういう主張を聞いたときの気分を思い出した。

ええ、それでですね。
「福岡市には、カワイイ子も可愛くない子もいます!
可愛くない子もいっぱいいるけど、なんだかわからないけど
皆、福岡に来てね!」
とかどうでしょうか?
え?ダメ?これも差別なの?
そもそも、男女共同何とか審議会の結論は、
とにかく、こんな「カワイイ区」なんぞという差別的なものはやめえ!
ということだったらしい。
これは男性のもの、女性のものなんぞという区別があるから
そういうディスりが出てくるのだ。
で、妙案を思いついた!
篠田麻里子に代わる二代目区長をIKKOにすればいい。
これで男女差別問題は解決じゃあ!


ライター:ヒロN
コラムニスト。コピーライター。プランナー。1958年生まれ。2005年から2008年 までメイド喫茶を経営。その経験を活かし、エッセイ「女の子の取扱い説明書」で作家デビュー。主な著書「メイド喫茶元オーナーが書いた女の子の取扱い説明書」「メイド喫茶元オーナーが教える女の子の取り扱い講座」「男 のダイエット」「脱力系シニアライフのすすめ。」震災、災害時のサバイバル法「ヒロN式サバイバル読本・耐災力」「女の子の取扱い講座」「ヒロN式日本昔話」小説「一休さんと野盗弥太」「僕らの町は」「きょうこさんのブス」「哲人探偵 草倉哲二」「哲人探偵 草倉哲二2ドロシー危機一髪」「犬たちの生活」など発売中。




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